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DC-DCタイプ無停電電源装置のトポロジー

開発意図
【AC-ACタイプUPS】
 下図はごく一般的なUPS(無停電電源装置)の動作イメージです。
 UPS内部で降圧と昇圧を行いますがターゲット器機へはACアダプターにて再度降圧を行うことになります。
 この様に降圧と昇圧を繰り返す為にバッテリーに蓄えたエネルギーの半分が損失となってしまいます。
 結果として持続時間は理論値(期待値)からは大きく外れてしまいます。
 動作イメージ中のグラフはバッテリーを12V5Ah=60Whとし時の器機消費電力vs持続時間です。
 理論値は効率を70%とし持続時間・消費電力積を60Wh×0.7一定として算出したものです。 AC-ACタイプUPSの動作イメージ
【DC-DCタイプUPS】
 AC-ACタイプUPSの持続時間が伸び悩む原因は昇圧回路にあります。
 昇圧回路の効率が良好であれば理論値に近い持続時間が得られますがコストとのトレードオフが立ちはだかります。
 そこでこの降圧と昇圧回路を1つずつ省いてしまおうというのがDC-DCタイプUPSの開発意図です。
 携帯やスマホなどのモバイル器機の電源系と充電系をスケールアップさせたものと考えることができます。
 欠点としてはACアダプターの容量を超える電力供給ができません。
 動作イメージ中のグラフはバッテリーを12V5Ah=60Whとし時の器機消費電力vs持続時間です。
 理論値は効率を70%とし持続時間・消費電力積を60Wh×0.7一定として算出したものです。 DC-DCタイプUPSの動作イメージ
DC-DCコンバーター基本回路トポロジー
【2360系ICで作るDC-DCコンバーター】
 UPSには正確な定電圧定電流特性を持つ充電部と器機に安定して電力を供給する計2つのDDコンが必要です。
 2360は多数のセカンドソースが存在するICですがエラーアンプは固定ゲインのフラットアンプとなります。
 1.25Vを基準電圧とし5番ピンに帰還したエラー電圧をコンパレーターでスライスしPWM制御を行います。
 ICと周辺L・C・Rでお手軽にDDコンが構築できあらゆる電子器機のローカルVRM※として多用されております。
 ※VRM(ボルテージレギュレーターモジュール)
 この為ループゲインが有限の比例制御となり定電圧域でIVカーブに傾斜が生じてしまいます。
 特に入力電圧が低い場合に垂下が大きくなり見かけ上内部抵抗が大きな電源となってしまいます。
 負荷電流に変動が無ければ問題ないのですが充電回路など負荷電流が変動する用途には使えません。
 7番6番ピン間に挿入する抵抗R2により電流制限がかけられますがその値は入力電圧に大きく依存してしまいます。
 これは入力電流の制限であって出力に対しては電力リミッター動作となってしまうことを意味します。
 Q5により出力側に電流制限を設けてもループゲインが有限であり,IV特性はここでも傾斜を持ってしまします。
 正確な定電圧定電流特性とは逆Lの字特性を持ったDDコンです。
 逆Lの字特性の構築にはDCループゲインが無限に設定でき位相補償が可能なエラーアンプがあるICが必要です。 NJM2360sch.jpg NJM2360res.jpg
【FA-UPシリーズ搭載のDC-DCコンバーター】
 当シリーズでは2360に替わりNJM2369を採用し良好な逆Lの字特性を持つDDコンを開発し搭載しました。
【FA-UPシリーズ搭載のDC-DCコンバーターの仕様】
 Vinレンジ:4.5V〜19.5V
 Voutレンジ:5V〜19V
 Ioutmax:1.5A(連続)
 Ioutpeak:3.0A(3分以内)
システムのトポロジー
【タイプ1】 【タイプ2】
DDコン#2の入力に停電検出切替スイッチを設けます。
出力は定常時停電時全てDDコン#2から出力されます。
したがってVinとVoutが等しい必要はありません。
定常時停電時に渡り常時DDコン#2の損失が発生します。
停電検出に遅延があってもDDコン#2の内部容量で瞬停を回避できます。
出力(Vout)直近に停電検出切替スイッチを設けます。
定常時には入力(Vin)が出力(Vout)に筒抜けとなります。
よってVinとVoutは等しい必要があります。
損失はDDコン#2のスタンバイ電力とDDコン#1のトリクル電力の合計となります。
停電時にはDDコン#2から電力が供給されます。
停電検出に遅延があると出力(Vout)は瞬停してしまいます。
システム構成type1 システム構成type2
【FA-UPシリーズシステム構成】
 FA-UPシリーズにはタイプ2を採用しました。
バッテリーの選定
 ターゲット器機の電源電圧が5V〜9Vの場合:7.2V〜12Vバッテリーをチョイスしてください。
 ターゲット器機の電源電圧が9.1V〜12Vの場合:9.6V〜12Vバッテリーをチョイスしてください。
 ターゲット器機の電源電圧が12.1V〜19Vの場合:6V×3個=18Vバッテリーをチョイスしてください。
 持続時間Tb[h]=(バッテリー電圧Vb[V]×バッテリー容量C[Ah]×0.7)÷器機消費電力[W]
 例:鉛12V5Ah器機12V0.8Aのバックアップ時間は・・Tb[h]=(12[V]×5[Ah]×0.7)÷(12[V]×0.8[A])=4.375[h]→約4時間。
 鉛蓄電池は1セル当たりの電圧が2Vです。12V鉛蓄電池にはセルが6本入っております。
 鉛蓄電池の適正な充電電圧は1セル当たり2.270Vとしておりますがメーカーや機種により若干の差があります。
 ニッカド(Ni-Cd)はニッケル水素に置き換わりつつありますが充電ドリルやラジコンで現役選手です。
 ニッカド(Ni-Cd)は1セル当たり1.2Vです。適正な充電電圧は1セル当たり1.430Vとしております。
 ニッケル水素(Ni-MH)は1セル当たり1.2Vです。適正な充電電圧は1セル当たり1.425Vとしております。
 ニッカド,ニッケル水素共にメーカー間機種間でのバラツキがありますので充電電圧の微調整が必要となります。
 リチウムイオン蓄電池の充電はCPUを用いたインテリジェント駆動が必要な為,未対応とさせて頂きます。
充電パラメーター
 充放電の時間率を0.1Cとか1Cとがで表現しますが「C」は単位ではありません。
 [C]はクーロンという単位でありここで言う「C」とは異なります。
 例えば「12V5Ahのバッテリーを0.1Cで充電する」は「0.5Aの充電器で10時間かけて充電する」ことを意味します。
 DC-DCタイプのUPSで留意すべきは充電中のACアダプターの負荷です。
 充電に要する電流とターゲット器機の負荷電流との和であることを考慮しなくてはなりません。
 充電中バッテリーへ供給される電力はバッテリー端子電圧と充電回路が出力する充電電流との積です。
 この積すなわち充電電力はこの時点で熱には変換されずバッテリーに蓄積されます。
 過放電で端子電圧がゼロボルトとなってしまったバッテリーは充電電流を長時間流し続けても充電されません。
 充電電力が端子電圧と充電電流の積だからです。
 充電回路はACアダプターから受けたエネルギーをロスなくバッテリーへ供給しております。
 満充電に至る定電流領域ではACアダプターの電流は時々刻々変化するバッテリーの端子電圧に比例します。
 充電開始から満充電に至るまでACアダプターの電流は僅かに増加して行き満充電で最大となります。
 以降緩やかに減衰しトリクル充電に要する電力で安定します。
 したがってトリクル充電に要する電力(2〜3W)は永遠にACアダプターから供給しなくてはなりません。
 CCCVすなわち定電圧定電流駆動方式に於いてトリクル充電電流を予測する事は困難です。
 トリクル充電中は定電圧動作でありバッテリーも定電圧素子となります。
 両者の僅かな電位差とバッテリー内部抵抗によりトリクル充電電流が決定します。
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