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バッテリーの選定 |
鉛蓄電池の種類
左:シールドバッテリー 中:車用メンテナンスフリーバッテリー 左:車用バッテリー ●シールドバッテリー 見分け方は「栓」や「穴」「キャップ」が一切なくハウジングは黒っぽく透過性がありません。 特徴は内部抵抗が低く据え置き方向は縦置きか横置き(印刷面またはラベル面を上)ができ最も安全です。 市販UPSや電動カート,二輪車などに使われております。 入手しやすいメーカーはKung Long Batteris Indutstrial Co., Ltd.とGS YUASAの二社です。 12V用を入手してください。6V用がありますので注意してください。 ●車用メンテナンスフリーバッテリー 見分け方:補充液を充填する6個の栓は無くハウジングは黒っぽく透過性がありません。 φ5mm程度のチューブが挿入できるドレインポート「穴」がありキャップを被せてあることがあります。 輸入車用が格安で市販されており同容量のシールドバッテリーより若干安く手に入ります。 溶液補充の必要はありませんが傾けるとドレインポートから液体が溢れ出ることがあります。 据え置き姿勢は縦置きのみです。 シールドバッテリーと比較すると内部抵抗は若干高い傾向にあります。 同じ容量(○○Ah)のシールドバッテリーと比べると実効容量は2/3ほどしかありません。 端子は筒状のD端子と呼ばれるものが多く別途ターミナルを購入する必要があります。 12V用を入手してください。トラックなど大型車用の24V品がありますので注意してください。 ●車用バッテリー 見分け方:補充液を充填する6個の栓が有りハウジングは半透明で液面が見える様になってます。 また液面の上限と下限を示すゲージが印刷されてます。 屋内で使うのは電解液の液漏れなど心配な面が多くお薦めしません。 注】車用バッテリーについて(メンテナンスフリーバッテリーを含め) 車用バッテリーはセルモーターの始動電流(約100A)を短時間供給する事を得意としおり継続した負荷を供給し続ける様なサイクルユーズはあまり得意としません。 ディスクトップPCのピークシフトに使うと比較的短時間(数ヶ月)でインピーダンスの上昇と共に容量が半減してしまいピークシフト時間の再設定を強いられることになります。 この現象を回避する為には同一バッテリーの並列接続が有効ですがサイクルユーズ向けシールドバッテリーにはかないません。 並列接続は損失の計算式I^2・R(アイ自乗アール)から2個並列で電流が半分に,インピーダンスも半分に,損失が1/4になります。 ●入手先 オートバックスやホームセンターのカー用品で探す場合,箱の中がどの種類なのか何Ahなのか購入後開封してみないと判別できません。(開封しても分からないことも・・・) バッテリーの通販は幾つかありますが,型番からの検索となり容量が何Ahなのか調べるのにメーカーサイトのリンクの深い所まで辿らなくてはならず,容量が未記載の場合もあって不便です。 アマゾンまたは秋月電子通商を推奨します。 ●寿命時の廃棄 バッテリーストア.com「http://www.nanshin.net/contents/?pageid=disused_battery」着払い伝票の購入(有料) または近くの産廃・鉄グズ処理業者で買い取ってもらえる業者を探し持ち込みます。 |
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必要容量の計算
ターゲット機器の消費電力を調べP[W]とします。 必要な測定値はDCラインの消費電力です。 AC100Vに電力計を挿入しACアダプター込みで測定した場合はその9割とします。 ターゲット機器のDC電源電圧をVo[V]とします。 ピークシフトしたい時間をTb[h]とします。 ピークシフトする積算電力が充電能力を越えてはいけません。 以下で求めるEvh[Wh]に対しハイパワーモデルの充電能力は13[V]×4.5[A]×10[h](22:00〜翌8:00)=585[Wh] ミッドパワーモデルの充電能力は13[V]×2.2[A]×10[h]=286[Wh]を下回っていれば問題ありません。 充電能力を上回ってしまう場合にはピークシフト時間を短縮してください。 充電時間延長で充電能力をアップできますが昼から夜にシフトした電力を再び昼に戻すことになってしまいます。 必要なピークシフト容量Evh[Wh]を求める式は Evh[Wh]=((P[W]÷Vo[V])×(Vo[V]+0.2[V])×Tb[h])÷0.8 最後の0.8はバックアップD-Dコンの効率です。 例えばターゲットが54[W]12[V]シフト時間を7.5[h]とすると・・・ ((54÷12)×(12+0.2)×7.5)÷0.8≒514.7[Wh] 必要なバッテリーの容量Cm[Ah]を求めるには 2組のバッテリーの定格電圧をVb[V]とし放電深度を40%までとすると必要な容量Cm[Ah]は・・・ Cm[Ah]=(Evh[Wh]÷Vb[V])÷0.4÷2[組] (514.7÷12)÷0.4÷2≒53.6[Ah]・・・が1個バッテリーに求められる最小の容量です。 この例(ハイパワーモデル)ではバッテリーの負荷も重いので並列接続で内部抵抗の影響を抑えます。 12V36Ahのシールドバッテリーを4個2並列2組で運用します。 もしくは12V20Ahのシールドバッテリーを6個3並列2組で運用すると良い結果が得られます。 解が見つからない場合 ターゲットの消費電力が削減できないか検討してください。 WindowsPCならコンパネの電源管理設定で消費電力を減らすことが出来ます。 詳しくはディスクトップPC改造「PCの設定」に従い消費電力を再測定してみてください。 |
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並列接続について
大容量のピークシフトはバッテリーの並列接続 バッテリーの内部抵抗は電気的な内部抵抗と化学的な反応による電圧降下があります。 バッテリーの負荷電流が2Aを越える場合にはバッテリーの電圧降下によるロスが無視できません。 DC-DCコンバーターの入力電圧の降下も大きくなりコンバーターの効率も落ちます。 例えば必要なバッテリーの容量が机上計算で35Ah以上2組となったと仮定します。 この場合36Ahのバッテリー2個でよいのですが18Ahのバッテリーを4個購入した方が良好な結果が得られます。 18Ahを2個並列接続して36Ahとし,これを2組本機に接続すると机上計算に近い持続時間が得られます。 さらにサイクル寿命も延びます。 並列接続の欠点 サイクル寿命を迎えたバッテリーの特定が困難なことです。 |
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12V鉛バッテリー機種リスト
上記バッテリーの数種からサンプリングしサイクル寿命を計測しております。 ATLASBX製62Ahカーバッテリー全4固体は約350サイクルで容量が1/5(12Ah)以下となりました。 LONG製12Ah,20Ah,36Ah全31固体は500〜700サイクルを経過し容量低下を感じません。 感じないと言うのはピークシフト時間の再設定なしに問題なくシステムが稼働しているという意味です。 実効容量はシステムから外し計測してみないとわかりませんが50%以内の放電では極めて良好な結果です。 |
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鉛蓄電池の特性や寿命について
鉛バッテリーは充放電をくりかえすと容量が減って行きます。 例えば定格容量50Ahのバッテリー,新品購入時には概ね50Ahの容量がありますが使い続けると40Ahになり30Ahになりやがて20Ahになってしまいます。 充放電の深度が深い使い方をディープサイクルと言いますが鉛蓄電池はこのディープサイクルに弱い傾向があります。 充放電の深度を50%までに抑えた使い方で2年(730回)で寿命となるとします。 これを80%まで充放電を繰り返した場合には半年(182回)で寿命に至ることがあります。 ディープサイクルバッテリーと謳っている機種もありますが基本的にディープサイクルには弱く,寿命を1〜2年としたい場合には浅い充放電で使います。。 ニッカドやニッケル水素二次電池の場合,放電深度が浅いとメモリー効果で短寿命となりますが鉛蓄電池はこれとは逆の性質を持っています。 「最後まで使わないとメモリー効果が起きる」とよく耳にしますが鉛蓄電池の場合これは間違いです。 鉛蓄電池にメモリー効果があるならアイドリングストップ車はそこら中でセルスタート出来なくなってしまいます。 リチウムイオン,リチウム水素などはメモリー効果もなくディープサイクルにも強くラフな使い方が出来ます。 したがって本機の様なピークシフターに100%近くまで使い切ることができ同容量で体積半分のところを100%まで使い切れればさらに半分にできますが高額なのでどう工夫してもペイしません。 |
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過放電は何故ダメか
バッテリー残量が5%・・・3%・2%・・1%と使い続け電源を切らずにいるとどうなるでしょう。 ノートパソコンのバッテリーがニッカドだった頃の昔によく経験したことですが充電不能に陥ります。 その頃のニッカドパックは複数個(10個とか)のセルを直列に接続していました。 過放電で起きるのはその複数個のセルのうち数個のセルの電圧がゼロとなってしまう現象です。 この状態で充電を開始すると充電回路は定電流で直列に繋がったニッカドパックに電流を流します。 充電はエネルギーを注ぎ込んで始めて成立しますが,電圧がゼロになってしまったセルには電流は供給できても電力は供給できません。 電力は電流×電圧なので電圧がゼロなら電力はゼロなのです。 セルを取り出し超大電流(10Aとか50Aとか)をバチッと注ぎ込むと復活することがあります。固く閉じた帆立貝にくさびを打ち込んで無理矢理ひらく感じです。 しかしパックの中で他のセルと直列接続されていては生きているセルにも超大電流を注ぎ込むことになり電力=電圧×電流の原理から超大電力が生きているセルに・・・ オーノー!エネルギー過多で燃えてしまいます。 12Vの鉛蓄電池は1個当たり2Vのセルが6個直列接続されており過放電すると同じ事が起きます。 パルス性の大電流で寿命の尽きたバッテリーの再生の可能性を謳っているサイトが存在しますが当方では成功したことはありません。 |
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何故リチウムイオンバッテリーを使わないか
現在(2016/6)リチウムイオンバッテリーやリチウムポリマーバッテリーを使った家庭用蓄電システムは多数存在します。 大和ハウス,TOSMO,エリーパワー,グランツ,正興電機SS,デジレコ,ニチコン,NEC,シャープ,パナソニック,東芝,オムロン揚げたらキリが無い程です。 これらは初期投資に数百万円,節約額は年間十万円前後なので償却に数十年を要しますがその前にバッテリーの寿命が来てしまい永久にモトがとれません。 リチウムイオンバッテリーは同じ容量の鉛蓄電池に比べ価格が一桁高いことが要因です。 EVカーに搭載されたリチウムイオンバッテリーを家庭用蓄電システムに流用するものもあります。 EVカーの蓄電システムはハイブリッド車を含めリチウムイオンバッテリーの数が動いておりマスメリットがあることや走る為の電力充電を夜間に行えること,容量が桁違いに大きいことがありメリットは大きいと考えられます。 ですが走っている間は蓄電システムとして機能せず,蓄電システムとしての能力を100%発揮するには走らず車庫に置きっぱなしにするしかありません。 何の為にピークシフトをするのか・・・電力会社の為や原発温存の為にやる訳ではありません。 ここではピークシフトという言葉を使ってきましたが実は世間で言うピークシフトとはちょっと違います。 世間で言うピークシフトとは夏の正午頃,エアコンの消費電力がピークを迎え発電能力を上回と困るので上回らない様にお昼にエアコンを切るなどして節電してくれという電力会社のワガママキャンペーンのことを言います。 原発は発電し始めると発電能力をしぼったり増やしたりが出来ません。 3.12以前はどうしても夜の電力が余っていたので原発の為に揚水発電所を作り,余ってしまう夜間電力で山のふもとの池から山の頂上の池に水を汲み上げ,昼間に山の頂上から山のふもとの池に水を落しながら発電をするお利口なことをやってました。 それでも未だ余る夜間電力はたたき売ることにしたのがナイト8・ナイト10,オール家電&エコ給湯システムです。 ここで使っているピークシフトという言葉は夜間の安い電力を貯めておいて日中の電気代の高い時にこれを使って電気代を節約しようという意味です。 つまり節約した電気代よりバッテリーの購入費用が上回ったのではピークシフトする意味はありません。 この様な理由からバッテリーの設置場所や重量をさほど気にしなくてもすむ家庭用蓄電システムは現時点では鉛蓄電池がベストチョイスなのであります。 |