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配線について 

バッテリーハウジング バッテリーとの接続
  • 使用する電線は1.25sq(AWG#16)平行2芯スピーカーケーブルがよいでしょう。
  • バッテリーの配線は他の配線(赤黒など)とは異なり識別しやすい透明な被覆のケーブルがよいでしょう。
  • スピーカーケーブルは被覆外径が交流電源用より細いものが多く加工しやすくなります。
  • バッテリーとの接続はY端子ではなくO端子を用いてください。バッテリーの端子がファストンの場合でもネジ止めがよいでしょう。これはバッテリー交換時に調達したバッテリーが同じファストンとは限らないからです。
  • コネクター側はハウジング:日圧VHR-3N,コンタクト:日圧SVH-41T-P1.1,極性:1pin(−)3pin(+)
  • 透明な被覆のSPケーブルは極性の識別がしにくいので特に極性に注意しながらアッセンブルします。印刷ラインがある方を(−)とします。
  • ハイパワーモデルのリア端子基板にはバッテリーヒューズが実装されてません。10A〜20Aのヒューズを+極バッテリー直近に必ず挿入してください。調達先amazonのURL
  • ミドパワーモデルはリア端子基板に15Aのバッテリーヒューズが実装されています。但しバッテリーを並列接続する場合には10A〜20Aのヒューズを+極バッテリー直近に必ず挿入してください。
  • 布線作業はバッテリーの(−)極を先に(+)極を後に接続しショートすることが無い様に細心の注意をはらいましょう。
  • 設置したバッテリーには用途(ターゲットの機器)や使用開始年月日を記入したラベルを貼っておきましょう。
電線の電流容量
  • 俗にACコード,ACプラグ付きコードに電流容量はありますが電線単体には電流容量はありません。
  • ACプラグ付きコードの電流容量はプラグ+コードというAss'yに対し定められた規格です。
  • 電線の耐電流値は電線自体の発熱と被覆の耐熱温度に関わりますが束ねた場合や被覆の断熱性,気温,エアーフロー,電線が接する物体やその温度など様々な条件で発熱量を特定できず規格化はできません。
  • また発熱量を特定でき耐電流容量が判明し機器の消費電流がこれを満足できたとしても,線材が長ければその電圧降下で機器が動作するか否かは電線屋さんの存在知らぬ所となります。
  • 「電線 許容電流」で検索すると多くのサイトがヒットしますが特定の条件下で使える電線を表したサイトや,情報の出所が不明なサイトがヒットします。
  • その様なサイトでは0.75sqは7AまでOKの様ですがコードリールに巻いた二芯0.75sq30mの電線に7Aを流し続けるとリールごと発熱し,被覆のビニールが溶け,いずれAC100Vがショートするかビニールから出火しリールごと火の玉となる騒ぎになります。
  • プリント基板に使うスズメッキ線によるジャンパー線は線径僅かφ0.5mmで0.2sqほどしかありませんが5mm長であれば7A流しても何の問題もありません。
  • 回路屋から言わせていただけば長さが特定できなければそこに使う電線の導体径は指定できませんし電線そのものに許容電流を設けることは自体大きな問題です。
電線の線径と配線抵抗
  • 電線はJIS規格とUL規格がありJISは導体の断面積○○mm~2(平方ミリメートル)を○○sq(スクエア)と表します。
  • 米国ではインチ単位で正規化し太い順に番号を振ったAWG#○○と表す規格があります。
  • AWG#○○は○○ゲージや○○AWGと表現されていることがあります。
  • 下表はJIS規格での断面積をAWG規格で一番近い断面積で対応をとりJISベースで換算したものです。
  • 尚,導体径は断面積から算出したものではなくヨリ線による隙間を考慮した値です。
  • JIS規格とAWG規格の誤差は僅かですがAWG規格の方が若干太くなります。
  • 例:1.25sqはAWG#16に相当しますがAWG#16の導体断面積は1.309mm^2となります。
呼び面積(JIS)AWG(UL)導体径1m当たりの抵抗@25℃二芯1m当たり損失@5.0A
0.2sqAWG#24Φ0.54mm0.113Ω5.65W
0.3sqAWG#22Φ0.70mm0.075Ω3.75W
0.5sqAWG#20Φ0.90mm0.045Ω2.25W
0.75sqAWG#18Φ1.10mm0.030Ω1.50W
1.25sqAWG#16Φ1.50mm0.018Ω0.90W
2.0sqAWG#14Φ1.60mm0.011Ω0.55W
  • ターゲットの消費電力60W,配線を2.0sq(ニスケ)線長1mとすると0.55Wを電線でロスってしまうことが分かります。これは効率で約1%に相当し電線がシステムの効率に大きな影響を与えてしまうことが分かります。
  • 本機〜バッテリー間,電源〜本機間,本機〜ターゲット間の全ての配線について同様のロスが加算されてしまいます。
  • 2.0sqの電線は太すぎて扱いにくく,1.25sqを用いるとすると配線長50cmでロス1%以下を満足できます。
  • 機器の配置によって50cmで足りない場合にはコネクター端を0.75sqないし1.25sq/5cm〜10cmで配線し中を2.0sqで中継するとよいでしょう。
  • 電線のロスはそこに流れる電流の二乗に比例しますのでハイパワーモデルでは太く短くが重要となります。
  • ミドパワーモデルに於いては負荷電流が2A程度となり電流が半分以下,損失は1/4以下となりますので0.75sqや1.25sqでの引き回しで問題ありません。
2.0sqの電線を圧着する方法
圧着作業を行うには日圧のVHシリーズのアプリケーターが必要です。
日圧のコンタクトSVH-41T-P1.1は0.5sq〜1.25sq,被覆外径φ1.7mm〜φ3.0mmまでの電線しかアプリケーションできません。
極秘テク
そこで2.0sqのスピーカーケーブルを圧着するテクニックを解説します。
【1】剥き代を8mm程度,芯線の半分ほどを5mm〜6mmカットします。
【2】カットした芯線とカットしなかった芯線をまとめ,この部分に半田を浸透させます。
【3】芯線の先端を3mmほど出し熱収縮チューブを被せ加熱します。
【4】熱収縮チューブ先端を被覆部の噛み代としてコンタクトを圧着します。
ACアダプターのDCプラグに使われているシールド線も同様のテクニックで圧着できます。
DCプラグとジャックの知識
DCジャックDCプラグDCジャックDCプラグ
@定格電流10Aのφ2.1mmDCジャックです。(−)極は板バネ6方向からの接点構造で(+)極はφ2.1mmのピンです。
 12V電源で同様の電流定格を持つプラグでは120Wを19Vなら190Wを通過させることができます。(筈です)
A定格電流4Aのφ2.1mmDCプラグです。(+)極はフォーク型(音叉型)の接点構造となってます。
 この定格4AはBのDCジャックと組み合わせた場合の容量です。
 @との組合せでは4Aが定格となりますが実測では7A:温上Δt≒12deg,10A:温上Δt≒17degです。
 プリント基板実装状態ではこれ以下となりますので7A〜8Aの貫通が可能です。
B定格電流4Aのφ2.1mmDCジャックです。(−)極は板バネ1方向からの接点構造で(+)極はφ2.1mmのピンです。
 Cの様な(+)極にバネ性のないプラグでも(−)極からの片押し圧力で(+)極の接触を保てます。
Cは(+)極が円柱穴で定格電流1A〜4Aと各種あるφ2.1mmの汎用プラグです。
 @との組合せでは(−)極からの圧力が円柱穴のセンターに集中し接点圧がゼロとなり接触不良となります。
 ターゲットは電源喪失となりますので@とCの組合せは絶対に避けてください。
@とAの組合せでもプラグから出た直近のケーブルが壁に押しつけられサイドテンションがかかり続けている様な場合には安定した接触が得られないことがあります。
DCプラグと電線
DCプラグの外装ケーブルクランプ部分は1.25sqや2.0sqを通すことができません。
0.75sqのみ通すことができます。
そこでケーブルクランプ部分の穴径を広げます。
φ4.5mmのドリルビットとφ5.0mmのドリルビット(切れ味の良いもの)を用意します。
0.75sq
1.25sq まずφ4.5mmのドリルビットをクランプ部分の穴にゆっくり回転させながら通します。
次にφ5.0mmのドリルビットを通しますが,クランプ部分がちぎれてしまうことがありますので慎重に回転させながら進めては抜きを繰り返します。
ドリルビットに絡みついた切りカスをハタキながら両側から穴を広げて行きます。
完全に貫通しなくても7〜8割貫通すれば1.25sqの電線を通すことができる様になります。
クランプ部分を根元からカッターで切り落とせば2.0sqを通すことができます。
φ10mm〜φ12mm/L=40mmの熱収縮チューブを被せます。
2.0sq
ターゲットとの接続
ターゲットとの接続ケーブルは右図の様に加工します。
コネクター側はハウジング:日圧VHR-3N,コンタクト:日圧SVH-41T-P1.1,極性:1pin(−)3pin(+)
ターゲットワイヤー
φ1.7変換 電圧が19V(18V)の多くの機器はφ1.7mmDCジャックです。
φ2.1mmのDCプラグが挿入可能ですが接触が悪くなります。
左図の様なφ2.1mmφ1.7mm変換を使うとよいでしょう。
ターゲット機器の消費電力が10W程度であればミドパワーモデルの出力容量は余ってしまいます。
RJ-45で繋がるネットワーク機器であれば右図の様な二股のターゲットケーブルを作りましょう。
ミドパワーモデル1台で機器2台のピークシフトが行えます。
信号ラインはトランスで絶縁されており(差動入出力の場合も)GNDがループを作ることはありません。
但し,VoIPアダプターやワイヤレス電話親機などはGNDを共通にするとRing電圧の生成に支障を来たし呼び出し不能となる場合があります。
またHDMIモニターのプライマリーとセコンダリーのGNDを共通にするとオーディオにノイズが乗ることがあります。
導入前に分岐したい機器同士のGNDを結線してチェックしておくとよいでしょう。
二股ターゲット
電源との接続
ACアダプターとの接続ケーブルは右図の様に加工します。
パススルー電源用のコネクター
 ハウジング:日圧VHR-3N
 コンタクト:日圧SVH-41T-P1.1
 極性:1pin(−)3pin(+)
充電用電源のコネクター
 ハウジング:日圧VHR-2N
 コンタクト:日圧SVH-41T-P1.1
 極性:1pin(−)2pin(+)
アダプターワイヤー
ACアダプターを共用する場合 充電用電源とパススルー電源の容量が1個のACアダプターで足りる場合には二股のケーブルを左図の様に加工します。
ACアダプターに手を加えても「ええじゃん」という方は右図の様に加工します。
ついでに線長を届く範囲で短くすれば省電力に寄与します。
二股ターゲット
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